絵の紹介。

 子供の頃から絵を描くのは好きでした。漫画の描き写しとかそんな程度のことです。ハットリくんとかオバQとか、子供の頃せっせと描いていました。道を歩きながら、筋肉マンのあの股関節の開きはどうしたら描けるのかなあなんて考えていたのを覚えています。その後はドラゴンボールとかセイントセイヤとか、男の子が皆好きな絵を描いては楽しんでいました。授業中は勿論いたずら書き。絵を描くとその頃から褒められましたが、ちゃんと学んだことはなく、絵具の使い方なども全然分からなくて高校の美術の成績は2。絵を見ることは全然興味がなく、特に好きな画家とか絵はありません。絵からあまり刺激を受けない方なんです。

 大人になるとほとんどいたずら書きをする機会もなくなりましたが、妻と出会ってから何かエネルギーが湧いてきて突然、絵描きを始めました。2013年の春のことです。

 最初に描いたのはpaintingにある『天使』から始まり『月、翼、木、魚、海』まで。一日一枚描く感じで勢いよく出てきました。描きながら絵具と絵筆の使い方を学んだ感じです。この頃の絵は凄く勢いがあって好きです。画材はポスターカラー、イラストボード。自分はこういう絵を描くんだ、と初めて知りました。昔の思い出は漫画の模写専門でしたから、無から絵を生み出すという体験自体が初めてでした。

 僕はヒーラーという仕事をしておりますが、そういう訳もあって絵画的というよりエネルギー的に描く、ということに長けていると思います。どういうことかと言うと、物凄く上手く描けても観る人の心を震わせない画家もいる一方で、エネルギー的に描ける人は下手でも人を震わせることが出来るということです。勿論それで上手かったらなお良いことではありますが、エネルギー的、ということの意味はそういうことだと思います。僕の絵を見ると体がゆるんだり熱くなったりする、というのをよく聞きます。それもまた、多分そういうことなのです。

 当時、仕事にも人生にも行き詰まりを感じていて現実を打開する必要に駆られていました。同じことを続けていては自分が沈んでいくように思えて、新しいことを始める必要がありました。それで同年の秋に初の個展を自宅で開きました。同じくpaintingの『親爺』から『赤の波紋』までが出展作品です。人をお招きして絵を観て頂くのも売るのも初めてでしたがご好評頂いて望んだ結果を得ることが出来ました。自分の描く絵は人に感動の涙を流させることが出来るという経験を得て、大いに励みになりました。画材はポスターカラー。これ以降はほとんどキャンバスです。

 翌2014年の夏に神楽坂で個展を開きました。その時の出展作品は描きためた作品の中で目ぼしいもの、それからこの個展用に一気にまとめて仕上げた『波動シリーズ』です。このシリーズは純然たるヒーリングアートという位置づけです。基本的に僕のお客様はヒーリングのお客様でもある方々なのでエネルギーの体感ということに慣れている方が多いですが、この会では絵を通して初めてお会いする方も少なくありませんでした。それでも与える印象が同じであることは大きな手応えを与えてくれました。先程の話に重なりますが、僕の絵は訓練をよく詰まれたベテランの方とは比較できませんが、観る人の心に入り込み刺激する力はとても強いのだと思っています。

 同年秋には下北沢でペン画展をしました。drawingsにある動物たちの一群の絵が出展作品です。この画風は初めてのもので思い付きで試みましたが、なかなか良い効果を出せていると思います。勢いよく、一点に付き一時間くらいで描いていった気がします。僕の絵の中でも一番とっつきが良いもので、多くの人にかわいがられています。この個展でとてもよく売れたことも、その証になっているかと思います。画材はサインペンです。

 同年冬には恵比寿で最後の個展を開きました。最後となったのは、これ以降、休止していたヒーリング業に戻ったからです。paintingにある『額から覗くもう一つの世界』というのが出展作品です。この一群の絵は、僕の書いている小説の舞台コーゾフの世界にまつわるもので、『教会』を中心軸にして時間と空間と現実と幻想を行き来する小さな物語と共に発表しました。この個展ではどの絵も販売するつもりなく、ただお見せするのみという姿勢に終始しました。技術的ではなく精神的に極まり切って、浮世離れしてしまったせいだと思います。また多分自分の中で、ひとまずこれで終わり、という考えがあったのだと思います。画材はポスターカラーを卒業して、アクリルです(『教会』のみポスタカラー)。ただ僕はたとえ発色は悪いとしても、ポスターカラーの方が好きです。水の働きがとても大きく、柔軟性に富んでいるからです。

 このシリーズの前にある、paintingの恐ろしげな数枚の絵は人生のどうしようもない行き詰まり感や悲しみが描かせたものです。絵にはこういう自浄の側面もあります。ただこれは発表は出来ないですね。これらの絵を寝室に飾って眠っていたひと夏、夢見は最悪に悪かったです。だから皆さんも怖い絵と一緒に寝てはだめですよ。本当に怖いから。

 絵具は結構、力を使うのと、描けば描くほど押し入れが狭くなるので、売る機会を設けないとあまり描きたいものではありません。その点鉛筆画やペン画は仕事の合間や夜眠れない時などでも気軽に描けるので、これ以降の絵はほとんど鉛筆とペンです。その後、色鉛筆、そしてわずかに水彩が参加してきました。この分野に関して面白いのは、自分の人生が深まり豊かになるにつれて、描きたいものが増えていくということです。初期のペン画、鉛筆画は描き込みの量が少なく、モノトーンです。そして表情は良くも悪くも平坦です。しかし自分が幸せになり、落ち着いてくると、自然と線が増え、色が増え、表情にも豊かさが加えられていきます。そんな目で観て頂くのも面白いかと思います

 ペン画、鉛筆画は比較的シリーズものを続ける傾向があります。動物、12星座、十牛図、竜と少女、植物乙女、という感じです。

 pencil drawingsは2017年以降の作品群です。注文をもらって描くというスタイルが多いです。作り方としては、まず下絵を描いて印刷し、そこに色を足す。この芸風の面白い所は、買い手の方の個性を色として乗せていくというものです。だから二枚同じ絵を描いても決して同じものにはなりません。必ずその人だけの絵になります。ヒーリング分野的に言えば、お客様のエネルギーを転写するという感じです。僕はこの手の絵を描いている時が一番幸せなのかなと思えるくらい安らいでいます。好きな音楽を聴きながら(バロック音楽が多い)、日の光の傍らで、鳥の声を時々聞きながら、ゆっくり時間をかけて描きます。

 ヒーリングは僕の生業ではありますが、心に何か大切なことを伝えたいと思っている僕にとって、ヒーリングと絵の間に大した境界線はありません。いずれにせよ、僕に出会い、僕の絵やエネルギーに触れることでその人が幸せになってくれたら、それが僕の幸せなのです。

 これからも絵は描いていきます。有難いことに数は少なくてもとても深く強く僕の作品を愛好してくれる方々に囲まれているので、次はどんな絵をお届けしようと、毎日ではないですが時々思いながら日々を過ごしています。

 欲しい絵や気になる絵、新しく描いて欲しい絵などがあったら遠慮なく声をかけて下さい。色々応じられると思います。

 最後まで読んで下さりありがとうございました。

 2018年11月19日 河邊正則

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